■W杯で勝ち進むために
昨年のカタール・ワールドカップで、日本代表はドイツ、スペインを破って2大会連続でノックアウト・ステージに進み、ラウンド16でもクロアチアと互角に戦った。
ドイツやスペインといった優勝経験国相手に逆転勝利したことは大いに評価されるべきだが、それは日本代表のゲーム戦術や森保一監督の勝負勘によるものであって、戦力的にはドイツやスペインはやはり日本より明らかに上だった。
押し込まれた前半のうちに2点目を奪われていたら、逆転勝利は不可能だった。
4年後あるいは8年後には、あのレベルの相手にも対等に勝負できるようにしたいものである。対等に戦って、勝つこともあれば負けることもある……。そうなった時には、ワールドカップでの決勝進出が日本の目標となる。
そのために必要な要素の一つが、前線でタメを作れる本格的なストライカーの存在だ。
従来、日本代表では前線でタメを作る役割は大迫勇也に任せていたのだが、カタール大会では大迫は招集メンバーからはずれ、FWのキーマンとしては前線で走り回って相手DFやGKにプレスをかける前田大然や相手の裏に走り抜ける浅野拓磨が起用されて、期待通りの活躍で日本の勝利に貢献した。
だが、ワールドカップ本大会で強豪と互角に戦うためには、やはり前線で体を張ってボールを収めることのできる本格的なCFがほしいのだ。
反町康治技術委員長の言葉を待つまでもなく、強力なCFの発掘は日本の強化のための必須条件なのだ。