年が変わっても、サッカーにオフはない。ワールドカップの熱が冷めないままに新年に入り、年明け早々にはJリーグのチームが始動する。日本代表の多数を占める海外組の選手たちは、シーズン真っただ中だ。2人の大ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生もスイッチオンのまま、サッカーの来し方行く末を語り尽くす。
■横浜FMの特性
――2022年のJリーグも振り返りましょう。
大住「優勝したんだから当たり前だけど、横浜F・マリノスは良いチームだったよね」
後藤「川崎フロンターレは相当大変なシーズンだったけど、よく食らいついていったという話もしたね」
大住「2連覇した後で優勝の可能性が消えかけたら、最後には崩れてしまうものだよね。そうなると、最終順位が5位や6位になっても不思議ではなかったと思う。でも、最後まで執念を見せてくれた」
後藤「マリノスがつまずいたという理由もあるけど、とにかく最終節まで優勝決定を持ち越しにさせたのだから素晴らしかったよ」
――リーグMVPは岩田智輝でしたが、他にも選ばれてもおかしくない選手たちがいました。
後藤「マリノスは本当に層が厚くて、誰が出ても同じようなプレーを展開できるチームになったからね」
大住「僕は岩田の受賞は妥当だと思ったけどね」
後藤「水沼宏太でもよかったんじゃない」
大住「出場した試合数は多いけど、分数で考えると総時間の半分くらいだと思うよ」
後藤「いや、半分は超えていると思うし、フル出場もあったよ。とにかく、マリノスはMVPを選ぶのがすごく難しいチームだったよね。1人の選手に頼るのではなくて、誰が出てもできるチームだったから」
大住「そのチームにおいて、フィールドプレーヤーでは圧倒的に長い時間出場しているのが岩田なんだよね。DFもボランチもやって、必要な時には点も取っていたから、MVPは岩田で良かったと思うよ」