■「ベスト4」モロッコ代表選手はパリSG、バイエルン、チェルシー…世界のトップクラブでプレーしている
日本が目ざしたベスト8のチームを見ると、リーグの上位を争うクラブの所属選手がいる。クラブという日常で磨かれる「主導権を持って崩す」感覚は、代表チームにも確実に生かされているのだと思う。
アフリカ勢初のベスト4進出を果たしたモロッコにしても、技巧派レフティーのMFハキム・ツィエクはチェルシーで、ポルトガル撃破のヘッドを決めたFWユセフ・エン=ネシリはセビージャでプレーしている。
右SBのアクラフ・ハキミはパリSGのレギュラーで、左SBで起用されたヌサイル・マズラウィはバイエルン所属だ。強豪相手に対して攻めることは、彼らにとって非日常ではなかったのだ。
組織的に戦うことについては、2週間ほどで世界のトップから勝利を奪うレベルへ持っていけることを、今回のカタールW杯で証明した。だとすれば、「個」のレベルをさらに上げることで、日本が強みとする組織力はさらに際立つ。
「個」の劣勢を組織で補うのではなく、「個」の優勢が組織を輝かせるようなチームを、4年後へ向けて目ざしていくべきだと思う。