■4年後からPK戦の重要性が増す?
さて、しかし、実際にはワールドカップではPK戦という決定方法が採用されている。そして、48か国参加となる2026年以降のワールドカップでは、3チームずつのグループリーグの後、32チームによるノックアウト・ステージで優勝を争う方式になると言われている(まだ、正式決定ではない)。
もし、この方式が採用されるとすれば、ラウンド32からPK戦が採用されるから、実力のあるチームでも運が悪ければ(あるいは対戦相手がクロアチアだったら)、いきなりPK戦負けでラウンド32で敗退してしまうかもしれない。
PK戦というのはサッカーの本質とは関係のない勝負だ。そんなことの準備よりも、90分で勝利できるような努力をする方が正当なやり方だという価値観もある。イビチャ・オシム監督は、「PK戦などルーレットのようなもの」と言ってロッカールームに引き揚げてしまった。
だが、そんな「つまらないこと」の結果で、長い年月をかけて努力してきた目標を逃してしまうとしたら、もったいないことである。
PK戦という方式が採用されている以上、やはり対策を練っておくべきだろう。
クロアチアと引き分けた後、日本代表の森保一監督は希望者をキッカーに指名して3人が失敗して敗れてしまった。一方の、PK戦を得意とするクロアチアは事前の準備に従ってキッカーを指名してきちんと決めてきた。やはり、PK戦となった時の戦略は事前に立てておくべきだろう。