カタールワールドカップも、終盤に入ってきた。日本代表はPK戦で敗れたが、同じ形で大会を去るチームは他にも出た。また、同じ数だけPK戦での勝ち上がりもあるのだ。ワールドカップとPK戦には、どんな因果関係があるのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■PK戦は合理的な決着方法か?
PK戦のような、サッカーの本質から離れたルーレットによって、ワールドカップの順位が決まってしまうのは望ましいことではない。
本来なら、大昔のように再試合を行うのが理想だが、そんなスケジュールの余裕はない。PK戦以外に方法はないのだろうか?
JリーグのJ1参入プレーオフでは試合が引き分けに終わった場合には、リーグ戦上位のチームの勝ちとすることになっている。ワールドカップでもこの方式を採用できるかもしれない。
たとえば、ラウンド16であれば、引き分けに終わった場合には1位通過のチームが次のラウンドに進むことができるようにする。
そういう方式にすれば、2位通過のチームは同点のままでは負けになってしまうので、リスクを負ってゴールを狙いに来る。そして、2位通過チームが勝ち越せば、今度は1位通過のチームが必死に同点ゴールを狙う……。こういうレギュレーションにすれば、グループリーグで消化試合が減ることにもなるだろう。
準々決勝以降についても、同様に前のラウンドまでの成績によって上位のチームが勝ち上がるようにすればいい。
抽選よりも、PK戦よりも、ずっと合理的な方法だと思うがどうだろうか?