■PK戦に勝つ方法
さて、では、キッカーはどのように決めればいいのだろうか?
まずは、通常のトレーニングの場でも定期的にPKの練習をしてPKのうまい選手を10人以上用意しておくことだ。そのうち、延長戦終了時にピッチに立っていた選手がキッカーに指名される。
次に、120分の戦いを終えて疲労をため込んでいる選手はキッカーを務めさせられるべきではない。
日本戦の後のPK戦で、クロアチアは2人目のブロゾヴィッチ以外は途中交代の選手が蹴っていたし、ブラジル戦でも3人目のルカ・モドリッチ以外は途中交代選手だった。
日本も4人目の吉田麻也以外は途中交代の選手だったが、1人目の蹴った南野拓実は、87分にピッチに入った後もゲームに入り切れずにいた。南野としては、だからこそ責任感に駆られて難しい1人目に志願したのだろうが、やはり、1人目の重責はゲームの中でテンポよくプレーしていた選手に任せるべきだったろう。
なお、120分戦って疲労した中でもしっかり蹴ることができる選手もいれば、疲労が溜まると精度が落ちる選手もいる。これも、普段のトレーニングの中で負荷をかけた状態でPKを蹴らせてみることでデータを揃えておくべきだろう。