■嫌だったロングボール攻勢

――前半0-0だったら後半開始から三笘投入だったでしょうか。

大住「この試合内容だったら、後半15分、20分まではそのまま進めて、そこから勝負という形だったと思う」

後藤「前半は明らかに点を取られないことを重視していたよね。あまりハーフウェーラインを越えていって、ちょっかいを出すようなことはしなかったし、無理につなごうとしてカットされることを嫌がって長いボールを使っていた。会見で“ボールを捨てましたよね”と質問したら森保一監督は怒っていたけど、絶対に試合中に何回かそういうことはあったよ。この間は、苦しい時に無理につなごうとしてカットされて痛い目に遭っているんだから。その代わりにロングボールを蹴っていたんだから、失点しないことが前半はメインだったと思いますけどね」

――前線の人数が少なく、攻められませんでしたが、もっと押されると想定していたのでしょうか。

後藤「そんなことはないよ。スペインやドイツは意地になってボールを保持して日本を圧倒しようとしていたけど、クロアチアは端からそんなことは考えずに、試合に勝つことだけを狙っていた。ある程度日本にボールを持たせてもいいや、という試合をしていたと思いますけどね」

大住「クロアチアはポンポンとボールを回して、最後に頼みのルカ・モドリッチが変化をつけてシュートに持ち込むという狙いだったよね。でも後半になってからは割り切って、高いボールを入れてヘディングで勝負してきたよね」

後藤「試合開始直後に、いきなりロングボールを蹴り込んできていたでしょう。何度も戦っているから、クロアチアは日本の弱点を知っている。日本としては、無理矢理にでもボールポゼッションで上回ろうとしてくれた方がやりやすかった。ボールを持たせられたり、ロングボールを積極的に使われるのは、日本にとっては嫌な戦い方だった」

大住「三笘薫が出てきた後の配置変えや交代をみると、日本を恐れているわけじゃないけど、きちんと評価した上での試合だったと分かるよね。そうなると、難しい試合になるよね」

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