日本代表のカタールワールドカップが終了した。現地時間５日、ラウンド１６でクロアチア代表と９０分間で決着がつかない熱戦の末、ＰＫ戦で敗退したのだ。目標としたベスト８以上には到達できなかったが、成果は大きかった。見えてきた足りないもの、今後に活かせる材料を、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が徹底的に語り尽くした。
■クロアチアも疲労していた
――クロアチアもギリギリでの戦いをしていたのでしょうか。
後藤「クロアチアもグループステージの最終戦で、負けたらやばい状況でベルギーと試合をしてスコアレスドローだった。大住さんが言ったように中盤の３人は替えが効かないので長時間プレーせざるを得なかったわけで、やはりギリギリの状態だったよね。後半の途中くらいから、クロアチアは相当疲労をためているな、という印象を受けたな」
大住「そこでもう１人、日本の攻撃をパワーアップできるアタッカーがいれば良かったんだけど」
後藤「相馬勇紀を出してほしかったな」
大住「僕も、南野拓実よりも相馬を出した方が良いんじゃないかなと思っていた」
――町野修斗がビブスではなくユニフォームになっていた場面があったのですが。
大住「町野の投入もあったかもしれない。もしも勝ち越し点を取られたら、町野を入れていたんじゃないかな。放り込んでこぼれ球を拾うには、相手を邪魔できるくらいの選手がいないといけないから。谷口彰悟を外して町野を入れるという策は、当然ながらあったと思う」
――これまでと違いリードして前半を終えたことで、交代策も難しくなったのでしょうか。
後藤「前半は０－０で終えるというプランだったはずで、１点取ったことが采配に影響するかなと思ったものの、特に影響はなかったような気がするけどね」
大住「１点取ったら守り切ろうというアイディアではなく、やはり次の１点を取らないと勝てないという意識はあったよ。だから三笘薫を入れたんだろうし」
