■「壁」の意味
これで、「ベスト8の壁」に挑戦する「新興国」は、6日にスペインと当たるモロッコだけとなった。サッカーはどんなことでも起こりうるスポーツだが、グループステージはともかく、負ければ即敗退のノックアウトステージでは「番狂わせ」は非常に起こりにくい。だからこそ「壁」なのである。
世界のナショナルチームの「エリートグループ」はFCバルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘンなど、UEFAチャンピオンズリーグで連年優勝を争うようなクラブで何人がプレーしているかで、ほぼ決まると言ってよい。今大会のラウンド16でこれまでに勝ち抜いた6チームの大半は、そうした国なのである。ただひとつ、クロアチアだけがそうしたクラブでプレーする選手だけで構成されたチームではなかった。だからこそ、そのクロアチアと対戦した日本は千載一遇のチャンスだった。
日本人としてではなく、ワールドカップが世界のサッカーに夢を与え続けられるかどうかという観点からも、日本のPK戦敗退はとても残念だった。