■本田はキラーワード連発!

 そして前半終了間際の48分、ドイツではFWのカイ・ハフェルツが左からのクロスを流し込むというシーンがあったのだが、本田は、ゴールの瞬間から、「オフサイやろ、オフサイ、オフサイ」と連発。さらに、はっきりしない状況に、

「これはたぶん、テクノロジー発動でしょう」

 と発したのだ。

 その後、やはりオフサイドとなったのだが、そこで本田が語っていたのは、「副審の人が、“オフサイドじゃねえよ”みたいな雰囲気を出しているんですよ。それが一番ビックリしてます」ということ。

 それに、実況のテレビ朝日の寺川俊平アナが、副審がオフサイドに関しては、アバウトなところを全部見逃してすべてVARに任せるという方向性があるとこを語ると、

いります? 副審

 と言い放ったのだった。

 後半、選手交代をし、フォーメーションを3-5-2(5ー3ー2)に変更して落ち着きつつあった日本代表だが、大きなピンチもいくつかあった。

 後半14分、ギュンドアンのシュートが右ポストを叩いた際は、「おしおしおし、いいよいいよいいよ。もうピンチは仕方ない、入らなければ全然OK」と語り、その後、下の向いていた選手たちに対して、「ボール見ろ、ボール見ろすぐに!」と言い放ったのだった。このときは、監督か、はたまたピッチで一緒に戦っているという心境だったのかもしれない。

 さらに、24分、4連続で波状攻撃を受けた際は、「ナイス」、「ナイス!」、「ナイス!!」、そして最後は「ナイス! ごんちゃん」と言い、「イエス!」と再び絶叫した。「ナイス」の上位が「イエス」ということなのかもしれない。

 30分の堂安律の同点ゴールの際は、三笘薫が左サイドからカットイン、南野拓実にタテパスが入った時点で「イエス」。南野のシュート性のクロスが放たれた瞬間に再び「イエス!」。さらには「イェーー」からの、堂安は決めた際は、「イェーーーー!!」と絶叫し、「ヨシッ!」で締めたのだった。

 ほかにも、アントニオ・リュディガーの独特の走り方に「性格悪い、バカにした走り方」と言い切った場面、試合終盤「もうズーレ(右SBのニクラス・ズーレ)が穴なのよ」「拓実(南野拓実)はズーレの周りをこちょこちょすればいいいと思います」などなど、視聴者が大いに盛り上がった強いワードが多く出た本田の解説。

 試合状況を即座にかつ的確に判断できる戦術眼の高さ。自身が監督またはピッチ上にいるかのような“指示”とも感じられるアツい発言。はたまたサッカーの国同士の戦いの最高峰の場・W杯を心から楽しんでいるようなサッカー少年のような一面。さらには、槙野とのやり取りを含め、ユーモラスでキャッチなフレーズが多く飛び出すこと――。本田の解説には、聞きながら見ればW杯を、そしてサッカーを好きになれる魅力が詰まっていると言えそうだ。

 前回大会までW杯で日本代表を牽引した本田の「最強解説」を背中に受けて、日本代表にはコスタリカ戦に勝利し、ノックアウトステージ進出を決めてもらいたい!

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4