■空席が目立った理由
イタリア大会でも同じような販売方法だったので、たとえばブラジルの試合を見たければトリノ、西ドイツが見たければミラノ、イタリアを見たければローマで行われる全試合の入場券をそれぞれセットで買わなければならないのです。
その結果、何が起こったのか。
当時の試合の写真を見てください。地元イタリア代表の試合や好カードを除いて、ほとんどの試合で空席が目立つはずです。
入場券はセットで買ったのに、見に来ない人がたくさんいたのです。不必要な入場券も買わされるからです。場合によっては、同日に行われる試合の入場券を買わされることもあります。ですから、1枚当たりの単価を計算すると入場券は定価よりずっと高いものになってしまうのです。暴利です!
ツアーの日程を決めるときに、なるべく購入した入場券を有効に活用できるようにするのですが、それでも入場券は大量に余ってしまいます。そこで、余った入場券はなるべく売ってしまいたいのです。つまり、“ダフ屋行為”をしなければならないのです。