■これは果たして偶然か
22日には、サウジアラビアがアルゼンチンに挑戦し、オーストラリアはフランスにぶつかる。いずれも今大会で優勝しても不思議ではない強豪だ。もしアジアがこの2試合も負けると、本当に崖っぷちだ。残るは明日ドイツにぶつかる日本と、24日にウルグアイと対戦する韓国だけである。
過去ワールドカップで優勝したことのある国は、わずか8つしかない。そして今大会、しかもその初戦で、そのうち5つが大会初戦でアジアのチームと対戦するのである。これは偶然なのだろうか。もしかして、アジアのサッカーにとって重要な試金石なのではないか。
エクアドルと対戦したカタールは、明らかに「インテンシティ」で劣っていた。攻守両面でほぼ90分間相手に主導権を許してしまったのは、「インテンシティ」の差によるものだった。
イランは、相手に対する寄せや当たりの強さでは負けてはいなかった。しかしサウスゲート監督が鍛えたイングランドの巧みなポジショニング、なかでも中盤のライス、ベリンガム、マウントのトリオの絶妙な三角形の組み方、数歩動くだけで状況を変えてしまう「立ち位置」の取り方は、世界の最先端のものと感じられた。そのポジショニングにまったく対応できなきなかった結果の大敗だった。
サウジアラビア、オーストラリア、日本、韓国は、こうしたポイントをどのように整理し、世界的な強豪との戦いに挑むのだろうか。
アジア勢大ピンチ! そのなかで強豪を相手に一矢を報いるのは、どの国か…。