■セット販売だったスペイン大会

 1982年のワールドカップはスペインで開催されました。

 スペイン大会からは、入場券の販売方法が大きく変わりました。個別に買うことができなくなったのです。「セット販売」です。

 スペイン大会の時はホテルとのセット販売でした。

 入場券を買うには、スペインの大手旅行会社やスペイン国鉄などが作ったコンソーシアム「ムンディエスパーニャ」という組織を通じてホテルと入場券のセットを申し込むしかなかったのです。

 セット販売ということは、必ずしも観戦したいわけでもない試合の入場券も買わなければならないということです。そのうえ、安いホテルを探して泊まることもできないので、かなり高額な出費を強いられることになるのです。

 それでも、その「ムンディエスパーニャ」がきちんと仕事をしてくれたのなら、まだ許すことができますが、これがまったく無能きわまる組織でした。大会が始まってからもなかなか入場券の現物が手に入らないのです。「明日と明後日の分が入ったから、事務所まで取りに来い」と言われて取りに行く毎日でした。

 さらに、「ムンディエスパーニャ」を通じて予約されているはずのホテルに行ってみると名前が入っていないとか、「夫婦なのに別室にされてしまった」あるいはその逆に「夫婦ではないのに男女が同室にされてしまった」といったケースもあったと聞きました。

(2)へ続く
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