■各国で相次ぐ負傷者
11月開催の最大の問題点は、ヨーロッパ各国の国内リーグが直前まで行われているという過密日程である。11月20日のワールドカップ開幕のちょうど1週間前の11月13日まで、各国リーグは開催されていた。
そのため、負傷者が続出している。
日本代表でも、負傷を抱えていた板倉滉が驚異的な回復を見せて直前のブンデスリーガで復帰するなど明るい材料もあるものの、11月1日に代表メンバーが発表された後だけでも中山雄太がアキレス腱を傷めて欠場が決まった。また、遠藤航の脳震盪は無事に回復したと伝えられたものの、Jリーグ最終節で谷口彰悟が鼻を骨折。大会直前の週末には三笘薫が発熱して欠場するなど、多くの選手のコンディションが心配される状況に陥っている。
もちろん、負傷で問題を抱えるのは日本代表だけではない。
11月23日に日本と対戦することになっているドイツ代表ではFWのティモ・ヴェルナー(RBライプツィヒ)がチャンピオンズリーグのシャフタール・ドネツク戦で負傷してワールドカップ欠場が決まった。
前回優勝のフランスではエンゴロ・カンテ(チェルシー)とポール・ポグバ(ユヴェントス)の欠場が相次いで決定。MF陣の弱体化は避けられない。また、11月1日には、チャンピオンズリーグの試合で孫興民(ソン・フンミン=トッテナム)が顔面を骨折するという重傷を負って韓国サッカー界を震撼させた。結局、孫興民は代表メンバーに選出されたが、もし、出場が不可能になれば韓国代表にとっては致命的な戦力ダウンとなってしまう。