■提出された要望書

 山梨県サッカー協会(山梨FA)、ヴァンフォーレ甲府とともに、山梨県ラグビー協会、山梨県アメリカンフットボール協会の4者が、県に「総合球技場」の建設を求める要望書を提出したのは2014年4月のことだった。9月には9万5627人の建設要望の署名をJリーグの村井チェアマンも同席して横内正明知事に提出。翌2015年3月、県スポーツ推進協議会は「フットボール専用スタジアム」など5施設の整備方針案をまとめた。

 2016年には「山梨県総合球技場検討委員会」が設けられ、半年間の検討の末、当時の後藤齋知事に報告書を提出、翌2017年7月には知事が新スタジアムの建設地を小瀬スポーツ公園周辺と発表した。そして2018年には、2万人収容の基本プランもできていた。

 2019年1月に就任した長崎幸太郎知事も、就任当初は「期待に添えるよう取り組んでいきたい」と前向きに語っていた。しかし3月になると「毎年の負担がきわめて大きく、無視できる額ではない」と慎重な発言に変わった。建設費の110~120億円はともかく、5000万円から8000万円と見積もられた運営費がネックとなったのだ。この年の年末までに、長崎知事は「採算のとれるスタジアム」に向けて計画を再検討し、リニア新幹線が開通する2028年をめどに建設する方針を語った。

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