■冨安の守備は「日本代表の中で1番」

 現役時代はCFとして活躍し、日本代表でもエースとして躍動した城氏に、現在のサムライブルーにおいて、相手FWの立場になったときマッチアップしたくないCBは誰なのかを聞くと「やっぱり冨安(健洋)ですかね」と回答。アーセナルに所属する23歳のDFの凄みを分析してもらった。

「普通はボールを持ったFW側が先にアクションを起こして、DFがそれに対してリアクションするんです。でも冨安は、その構図が逆になるような駆け引きをするんですよ。

 彼の前でボールを持つと向こうの間合いになって、“ここに行くしかないよな”となってしまって奪われるんです。あの駆け引きの仕方はすごくうまいです。

 ボールの位置とか相手の体の向きとか、そういうところを見て調整するんですよ。彼のプレーを見ていると“これ抜けねえだろうな”という心理になっちゃうんです。細かいところでの調整の仕方とか、距離感や間合いの取り方は本当にうまいです。

 相手のスピードとか体の骨格を瞬時に分析できるというか。(モハメド・)サラーのようにボールが足元に吸い付きながらも速い選手とか、(ロメル・)ルカクのように体が大きい選手とかいろいろな特徴のFWにすぐ順応できるんです。守備の能力に関しては日本代表の中で1番だと思いますね。駆け引きの仕方は群を抜いています」

 プレミアリーグ第10節のリバプール戦ではサラーを完封するなど、ここ最近アーセナルでは左SBとして安定したパフォーマンスを披露する冨安。サムライブルーでも守備の要として君臨する同選手は、順当にカタール行きをつかむことができるのだろうか。

PHOTO GALLERY ■【写真】取材に応じる元日本代表FW城彰二氏
  1. 1
  2. 2
  3. 3