■イタリアのサッカーに似ているJリーグ

 前にも述べた通り、今シーズンのサンフレッチェ広島は夏の間は連戦連勝を続けた。だが、秋口になってやや失速気味だった。それが、カップファイナル2連戦での苦戦につながった。広島自身の勢いに衰えがあったのかもしれないが、広島が苦戦を続けている最大の理由は、対戦相手の「広島対策」が徹底されてきたからだった。

 ルヴァンカップ決勝でのセレッソ大阪の戦いぶりを見れば、今シーズン、広島に3度も苦渋を飲まされてきたC大阪が、そうした経験を生かして対策を取ってきたということがよく理解できる。そして、C大阪の選手たちは「情報」に基づいた「広島対策」を忠実に実行して、主導権を握って戦えた。ヨニッチの退場という不運な出来事がなかったら、C大阪が勝利していたことは間違いないだろう。

 Jリーグというリーグは、相手を分析して、相手の良さを消す。そういう戦い方をするチームが多い。選手たちも、「個の力」を前面に押し出して戦うことよりも戦術を忠実に実行することがうまいし、分析や対策が大好きな指導者も多い。

 そのあたりは、戦術的な駆け引きで徹底して勝負にこだわるイタリアのサッカーに似ていなくもない。

 だから、C大阪がしっかりと広島の良さを消して勝負をかけてきたのはよく理解できる。だが、2部リーグで低迷しているチームですら「広島対策」を成功させてしまったのには、僕も驚かされた。

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