■「集団でバス移動」の妥当性

 その、リベルタドーレス決勝はワールドユースのラウンド16で中国代表がアルゼンチンに食い下がって1対2で惜敗した試合の翌日でした。この頃、Uー20の大会ではホセ・ペケルマン監督が指導するアルゼンチンが圧倒的に強く、過去3大会のうち2大会で優勝していました。地国開催となった2001年大会でも、サビオラやコロッチーニのアルゼンチンは圧勝しましたが、唯一苦戦したのが中国戦だったのです。中国には杜威や曲波といった選手がいました。

 さて、この時代、トヨタ自動車がリベルタドーレスのメイン・スポンサーで、大会も正式には「コパ・トヨタ・リベルタドーレス」と呼ばれていました。そして、北山さんが手配してくれた入場券もトヨタが関係企業向けに配布したものの1枚でした。

 で、このチケットの所有者はブエノスアイレス市内のホテルに集合して、大型バスでスタジアムに乗り込むことになっていました。そういうチケットですから、参加者の多くが日本人のビジネスマンでした。日本人ビジネスマンが試合の日にボカに単独で乗り込むのはかなり危険なことなので、バスで往復するというのは良いアイディアだったと思います。

(2)へ続く
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