■2001年のアルゼンチンの首都にて

「そうそう、そういえば催涙ガスで試合が中断したことがあったなぁ」と、僕は約20年前の試合のことを思い出しました。まあ、それほどヤバい状態ではなかったのですが……。

 それは、2001年の6月28日のことでした。場所はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスのボカ地区にあるエスタディオ・アルベルト・J・アルマンド(通称「ラ・ボンボネーラ」)。ボカ・ジュニオルズ対クルス・アスル(メキシコ)。南米選手権「コパ・リベルタドーレス」決勝の第2戦でした。

 ホーム&アウェーで行われた決勝戦。メキシコ市のエスタディオ・アステカで行われた第1戦ではボカが1対0で勝利しており、ホームでの第2戦では引き分け以上でボカの2年連続優勝が決まるという、重要な試合でした。

 僕は、この時はアルゼンチンで開催されていたワールドユース選手権(現、Uー20ワールドカップ)の取材(およびスカパー!解説)の仕事でブエノスアイレスに滞在していたのですが、リベルタドーレス決勝の取材申請はしていなかったので、アルゼンチン在住の日本サッカー協会国際委員、北山朝徳さんにお願いしてチケットを手配してもらいました。アルゼンチンにいるときは、北山さんにお願いすれば何でも実現できるのです。

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