「アメリカ戦で得点」の鎌田大地と「エクアドル戦で苦悩」の南野拓実…トップ下2人の「圧倒的な差」【日本代表ドイツ遠征総括の激論「いざワールドカップへ!」】(3)の画像
南野拓実は調子が上がってこない 撮影:中地拓也

 サッカー日本代表のカタール・ワールドカップに臨むメンバー発表前、最後の準備が終わった。今回のドイツ遠征では、得るものも多かった。これまでの歩みから浮かび上がってきたチームの現在地、そして本大会への展望をベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が語り尽くした。

■物足りないトップ下とサイドの関係

――堂安律はいかがでしたか。

大住「エクアドル戦で先発した攻撃陣の中では、堂安の出来が一番良かったと僕は思う。受けた人が失敗することが多かったけど、堂安からは良いパスが出ていた。ただし気になったのが、堂安を右サイドに固定しておくこと。

 アメリカ戦で左サイドに入った久保建英と同じ問題で、プレーするレーンを固定するのが森保一監督の考え方なのかもしれないけど、トップ下の選手とポジションを入れ替えながらプレーしたら、もっと攻撃に変化が出たんじゃないかと思う。エクアドル戦では南野拓実も中央で非常に苦労していたから、サイドから入っていく形にした方が、もっと何かできたかもしれないと思う。日本代表の前線には、流動性をもっとつくった方がいいんじゃないかな。例えば、前田大然だってトップもサイドもできるんだし、もうちょっと流動性を持ってプレーした方がいいんじゃないかなという気がする」

後藤「ただ、トップ下の選手が入れ替わって外に出ると、鎌田大地や南野がサイドで守備をすることになっちゃう」

大住「アメリカ戦では鎌田が左サイドに出たことがあったんだよね。短時間だったけど、特に問題はなかった。確かに鎌田の守備はちょっと弱いかなという感じはするけど」

後藤「守備を考えると、簡単にトップ下とサイドが入れ替わっていいよとは言えない気がする。日本のパスがうまく回っている時間ならいいかもしれないけど、下手に入れ替わるとサイドから崩されるのが怖いんじゃないかな。森保監督が、というより、ピッチの上の選手がそう感じるんじゃないかと思う」

大住「なるほどね。でも、攻撃面でのプラスを考えるとリスクを負う価値はあるんじゃないかと思うけどな」

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