あまりにも見事なタイミングだ。チェルシーのトーマス・トゥヘル監督解任から1か月もたたないうちに、チーム内から不仲の暴露が行われた。しかも、口頭ではなく自著の中での爆弾宣言。もしもトゥヘル監督がチームに残っていたら、どうするつもりだったのか…。
爆弾を投下したのは、アメリカ代表でもチェルシーでも背番号10を背負うクリスティアン・プリシッチだ。発売されたばかりの自著の中で、起用をめぐってのトゥヘル前監督との関係悪化を明かしている。
告白によると、昨年のレアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ準決勝が引き金だったようだ。アウェイでのファーストレグでは先発し、得点も挙げていたプリシッチ。セカンドレグでも起用を約束しながら、その話を反故にしたという。
「本当に良いファーストレグのパフォーマンスだった。続く試合はリーグ戦のフラム戦だったけど、セカンドレグのために温存するとトゥヘルは僕に話していたんだ。結局、僕はフラム戦で1分たりともプレーすることはなかった」
指揮官を信じ切っていたプリシッチは、奈落の底に落とされる。
「準決勝2戦目の試合当日、考えを変えてカイ(・ハヴァーツ)でいく、とトゥヘルに言われた。正直に言って、あぜんとしたし、とても落胆した。先発を勝ち取ったと思っていたからね。何と言っても、彼(トゥヘル)はその前に、僕を先発させると確約したんだからね」