■9月17日/明治安田生命J1第30節 柏レイソル 1ー1 川崎フロンターレ(三共F柏)
試合終了後、アウェイに駆け付けたサポーターに挨拶に向かうDF谷口彰悟の顔はどこか虚ろだった。その1分前には、ピッチ中央でアディショナルタイムについて抗議していたが、その力強さをそのまま置いてきてしまったかのように違う表情だった。
2試合連続の引き分け。しかも、どちらも先制しながら追いつかれたものだった
中2日だった川崎は、前半、ボールを握ってゴールを目指した。選手は前節から4人変更。その1人で、久々の先発出場となった小林悠が前半38分に先制ゴールをもたらした。家長昭博が左サイドに“出張”して作った攻撃から、最後のお膳立ても家長。気持ちの込められた“パス”をゴール前で受け取った背番号11は、ゴールネットのニアを撃ち抜いた。
そのまま前半を折り返したものの、後半18分に同点弾を許す。柏FW細谷真大にゴール前で粘られ、こぼれたボールをドウグラスに押し込まれたのだ。その1分前に川崎がこの試合最初の交代カードを切って流れをより引き寄せようとした直後の失点だった。
その最初のカードで入ったマルシーニョは、ボールを持てばキレのあるドリブルで脅威を見せたが、このドリブラーになかなかボールを渡すことができなかった。相手選手を集中させてマルシーニョに一気に渡そうとするも、常に警戒されている状況。そのうえ、この試合で戦列復帰した左サイドバックの登里享平、後半26分からこのポジションに入った橘田健人と連携を生かせなかったことも痛かった。