■仙台が連敗脱出!伊藤新監督のシステム変更が奏功
5位のベガルタ仙台は、長いトンネルから抜け出した。アウェイの栃木SC戦を1対0でモノにし、連敗を「5」で止めたのだ。
就任2試合目となる伊藤彰監督は、システムを変更した。前節は原崎政人前監督の4-4-2を踏襲したが、3バックをベースとした可変システムで臨んだのである。
守備時はキム・テヒョン、佐藤瑶大、若狭大志の3バックに両ワイドの真瀬拓海と蜂須賀孝治を加えた5バックで対応するが、攻撃へ切り替わると真瀬が右サイドの高い位置へ張り出し、蜂須賀がバランスを取りつつ右CB若狭が開いて4バックのような立ち位置になる。ケガで戦線離脱していた若狭は、6月25日の山形戦以来の出場だった。
立ち位置が変わった選手もいる。これまでボランチが主戦場だった中島元彦は、左MFを任された。また、松下佳貴とフォギーニョのダブルボランチは、攻撃時は松下が1ボランチのような立ち位置でビルドアップに関わり、フォギーニョはかなり高いポジションを取る。
前節の大分戦から中3日である。新たな戦術を落とし込むには時間的制約もあっただけに、35分の中山仁斗の先制ゴールは大きかった。左サイドの蜂須賀のクロスを、エースが相手DFと競り合ってヘディングで決めた。
6試合ぶりとなる先制点を守りきり、仙台はアウェイで勝点3をゲットした。持ち前の攻撃力を爆発させることはできなかったが、いまの仙台に必要なのは勝利だ。伊藤監督は「選手たちには自信になるはず」と語った。
J1参入プレーオフのJ2チーム同士の対戦は、リーグ戦の上位チームにホームゲームの権利がある。6位以内を確保するだけでなく、何位でフィニッシュするのかも大切だ。残り6試合、仙台のJ1昇格への戦いは続く。