■勝敗を分けるのは“隙”になるだろう
終盤には酒井がチームの勢い不足に檄を飛ばす場面もあり、作戦とは別の部分で不安要素が大きく顔を覗かせる試合となった。今週の土曜日に湘南戦、そして来週は水曜日と日曜日に再びセレッソ戦、と連戦が途切れない中でどこまで状態を上げられるか、がルヴァン杯を勝ち上がる最低条件になりそうだ。
浦和のコンディションが整い、プラスアルファでこの日と異なる戦い方を見せたとしても、セレッソがリスク管理を軸とした戦い方を変えることはない。来週の2試合でも、勝敗を分けるのは“隙”になるだろう。隙を見せた方が敗れる、というのはあらゆる場合に共通する。そしてその部分は、現時点ではこの試合の結果がそうなったようにセレッソに分がある。
小菊昭雄監督は「選手たちはキャンプから“相手の隙を見逃さない”ことを意識高く取り組んでくれている」「我々のトレーニングは、勝敗にこだわり、相手の隙を見逃さないことを強調している」「勝敗は細部で決まる、と常々言っているが、今日選手たちが実行してくれて嬉しく思う」とそこへの手応えを口にし、ゴールを決めた加藤は「やることはハッキリしている。次も少ないチャンスになると思うが、それを逃さずに決めたい」と意気込んだ。
果たして、この試合はルヴァン杯準決勝にどのような影響をもたらすだろうか。運命の2試合が終わってからこの試合を再び見れば、倒叙ものの推理小説のような楽しみ方をすることもできそうだ。
■試合結果
浦和レッズ 0―1 セレッソ大阪
■得点
24分 加藤陸次樹(セレッソ)