カップ戦が決勝トーナメントに突入すると、リーグ戦+カップ戦(ホーム&アウェイ)の計3試合を短期間で戦う、ということがしばしば起こる。
今年は浦和vsセレッソがそうなった。14日にリーグ戦、21日と25日にルヴァン杯の準決勝、という日程になった。ともにリーグ戦では首位から10ポイント以上離されており、ルヴァン杯のタイトル獲得により力を注ぐことは明らかだ。
こういう場合、初戦となるリーグ戦ではいつも通りの部分だけを見せることが多い。対戦相手用の策は見せず、手の内を明かさないようにしながら睨み合いで終わる、というパターンだ。
この日の試合も、序盤を見る限りそのパターンで進みそうだった。ボールを持つ浦和とカウンターを狙うセレッソ、という構図で、ベースの戦い方の中で無理せず牽制しあいながら時間が消化されていこうとしていた。
そんな展開で勝敗を分けたのは、隙を見せた・見逃さなかった、という部分だった。
24分、セレッソは自陣でフリーキックを得ると鈴木徳真が素早くリスタート。浦和は、ゆったりとしたペースでの再開になるはずだ、という足の止め方をしており、不意を突かれる形となった。為田大貴がドリブルで一気に左サイドを駆け上がり、ペナルティエリア内へ浮き球を送ると、それに合わせたのは加藤陸次樹。互いにゴールの気配が無かった展開から、いきなりセレッソがスコアを動かした。
加藤は埼玉県熊谷市出身。この日は両親が埼玉スタジアムで観戦しており、ワンチャンスを決め切ってチームを勝たせる、という最高の姿を見せることができた。