■ハーフタイムを挟んでの変化

 そして、後半に向けては広島が選手交代を使って中盤の強化を図ったものの、川崎のゲーム支配は続いた。

 こうなったら、もうロングボールを使う必要はない。川崎ならではのパス攻撃が冴えわたった。59分には右サイドで攻撃の形を作った後、左に展開して折り返しをゴール正面で受けた脇坂泰斗が落ち着いてターンして2点目。66分には左から展開して跳ね返ってきたボールをセントラルMFの位置にいた山根視来が引き取り、浮き球のパスを左サイドの脇坂に送り込み、脇坂が切り返す瞬間にファウルを誘ってPKをゲット。知念慶が落ち着いてこれを決めて(68分)3点差。さらに78分にもジョアン・シミッチとのワンツーで佐々木が左サイドを突破。佐々木のクロスに合わせたマルシーニョのシュートをGKの大迫敬介が弾いたボールを家長が詰めて、川崎が4点を奪った。

 4点を奪った勝利。そして、川崎らしいパス・サッカーが披露されたこと……。

 それも、確かに大きな要素ではあったが、この試合の中で最も重要な局面は立ち上がりの25分間くらいまで。つまり、両チームがプレスをかけあう中で、川崎が計算されたとおりのプレーでロングボールを使って相手を押し下げておき、時間の経過とともにゲームをコントロールして、次第に川崎らしい攻撃的なサッカーを実現させた川崎の試合運びの強さが印象的だった。

 川崎は、依然として首位の横浜相手に勝点3ポイントの差をつけられているが、このまま勝ち続けて、横浜との優勝争いを最後まで続けてほしい。

 一方、川崎戦との“力比べ”に敗れてしまったものの、広島の強さも印象付けられた。広島にも、来シーズンはリーグ戦の優勝を狙える地位にカムバックしてほしいものである。

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