■事実上の一騎打ちに
前半でスコアが動いたのはこの1度のみだったが、後半、川崎は3度ゴールネットを揺らした。ハーフタイム終了時点で森島司と満田誠という2人の日本代表選手をピッチに送り込んだスキッペ監督だったが、後半14分に脇坂泰斗が加点。広島のペナルティエリア内で華麗な反転から素早く右足シュートを放ち、流れをさらに手繰り寄せる追加点を奪った。
そして後半23分、その脇坂がペナルティエリア内で見事な切り返しを見せようとしたところでPKをゲット。これを知念慶が決めて、突き放した。後半33分に家長がダメ押し弾を決める完璧な試合展開で、通常の白星以上に価値のある勝利を手にした。
今季の川崎は、リードしながらも追いつかれる展開や逆転されることがたびたびあった。しかしこの試合では、交代カードをあえて遅らせていい流れを途切れさせないなど、勝利のために念を入れた采配も光った。
この勝利で川崎は2位に浮上。消化試合で2試合多い広島を勝点で2上回り、勝点55の横浜F・マリノスと勝点52の川崎で優勝を争う、事実上の一騎打ち状態とした。
次節は中3日でアウェイに乗り込む名古屋グランパス戦だ。“誤報告”によって試合が延期となった因縁の試合である。3連覇に向けて、そして、割り切れない空気を払拭するために、敵地で白星を掴み取る。