■9月10日/明治安田生命J1第29節 川崎フロンターレ 4ー0 サンフレッチェ広島(等々力)
2位サンフレッチェ広島との大一番を等々力で迎えた川崎フロンターレ。緊迫した上位対決は、終わってみれば4得点差のつく結果となった。
試合開始のホイッスルが鳴ると、ピッチの上で自らのやりたいサッカーを展開したのはアウェイチームだった。7日に天皇杯準々決勝を戦ったため、その試合から先発メンバーを6人変更。中2日での試合で優位に入ろうと、広島の選手がピッチを広く使って試合を進めた。
しかし、ミヒャエル・スキッペ監督が「最初の25分、30分くらいまでしか自分たちの攻撃的なサッカーを見せられなかった」と試合後に振り返ったように、ペースは徐々に川崎に。CF知念慶がピッチを広く動きながら、右ウイングのマルシーニョの突破と、左ウイングの家長昭博がもたらすタメを軸に打開しようとする攻撃が機能していく。
そして前半34分、ペースだけでなく川崎がスコアをも動かす。得点をもたらしたのは、左サイドの攻撃だ。この日、7月9日のG大阪戦以来の先発となった左SB佐々木旭が広島陣内でボールを受けると、縦に走ったMF脇坂泰斗にスルーパスを通す。脇坂と佐々木はここでポジションチェンジ。タッチライン際に移った背番号14は、中にいたマルシーニョに横パスを出すと、ブラジル人ドリブラーはこれをダイレクトで縦に。
それに反応して左サイド深くに走ったのが佐々木だ。相手選手を振り切ると、これをダイレクトで中へ。マイナスのグラウンダーパスに走り込んで合わせたのが家長で、左足で抑えたシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたのだ。川崎らしい攻撃で、主導権を手にしてみせた。