■「もっともっとガムシャラにやらないと点は取れない」

E-1選手権では3得点を挙げ得点王に  写真/中地拓也

 E-1選手権を見たある元日本代表選手は、「町野と西村をセットで9月の欧州遠征に呼ぶのも面白い」と評価した。町野自身は控え目な笑みをこぼす。

「それができたらいいんですけど、そんなに甘い世界ではないと思っているので。いまJリーグで点を取れていないので、9月3日、7日、10日と連戦があるので、そこで点を取って、9月の欧州遠征に選ばれることを目ざしたいです」(編集部注:インタビューは8月末に実施。町野選手は9月3日の川崎F戦でゴールを決めた)

 対戦相手の包囲網は厳しくなっている。町野は小さく頷いた。

「潰しにくるシーンは多少増えましたし、ファウル気味でもいいから止めよう、というのは感じます。まあでも、僕のところへ来るぶん背後が空いたりするし、他の選手が空いたりもするので、やりかたはたくさんあります。そういうなかでも毎試合1本はチャンスがくると思うので、そこで決めていかないと」

 教訓にするべき記憶がある。

 ギラヴァンツ北九州でJ2を戦った2020年シーズン、町野は19節までに7得点7アシストをマークした。ディサロ・燦・シルヴァーノとの2トップはJ3から昇格してきたチームを牽引し、前半戦を首位で折り返す原動力となる。

 ところが、後半戦はゴールもアシストも記録できなかった。シーズン終盤は途中出場やメンバー外が増えた。

「あとから振り返ると、どこかで浮かれちゃっていた自分がいたと思います。謙虚さが足りなかった部分も絶対にあった。今シーズンはホントにガムシャラにやり続けて結果を残せてきたので、それ以上にやらないと。これから先はマークも厳しくなっていきますし、もっとガムシャラにやらないと」

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プロフィール まちの・しゅうと 1999年9月30日生まれ、三重県伊賀市出身。湘南ベルマーレ所属のFW。185センチ、77キロ。履正社高校から横浜F・マリノスに入団。2019年ギラヴァンツ北九州に期限付き移籍。J3リーグで8ゴールを挙げチーム得点王に。2020年1月、北九州に完全移籍。J2リーグで7ゴールを記録し、同年12月に湘南ベルマーレに完全移籍を果たす。2022年7月に行なわれたEAFF E―1サッカー選手権2022でサッカー日本代表に初選出され、3得点を決め、大会得点王に輝く活躍で日本を9年ぶりの優勝に導いた。

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