■またも川崎を苦しめる「プレッシング」

 一方の川崎は、第29節は1週間置いてのフレッシュな状態での試合となるが、相手は現在、7連勝中と絶好調のサンフレッチェ広島だ。

 広島は、川崎より勝点で1ポイント上回って首位に立っているが、川崎より消化試合数が2試合、横浜FMよりは3試合多い状態であることを考えれば、現時点では逆転優勝は現実的ではない。勝点差が大きかったとしても、対象チームが1つだけなら、相手が崩れて連敗してくれるという期待も持てるが、対象チームが2つとなると、両チームがともに大崩れするというのは考えづらいからだ。

 ただ、もし第29節で広島が川崎を破ったとすれば、実質的な勝点差は1ゲーム未満となり、2位は十分に狙える状況になるし、優勝の可能性もわずかながら出てくる。

 湘南のプレッシングに苦しめられた川崎としては、チーム全員が統制の取れた動きでプレッシャーをかけてくる広島のサッカーも警戒が必要だ。洗練された広島のプレッシャー。そして、ボールを奪った後の攻撃力も今ではJ1リーグ屈指のものとなっている。

 横浜FMが過密日程を乗り切ってリズムを取り戻せるか。そして、川崎が難敵広島相手に勝点3を確保できるかどうか……。

 この9月第2週を乗り越えれば、横浜FMと川崎の完全なマッチレースが始まる。日本のサッカー全体のためにも、ハイレベルでの争いが最後まで続くことを期待したい。

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