J1の優勝争いの構図が、ようやくはっきり見えてきた。昨季王者の川崎フロンターレと、3シーズンぶりのタイトル奪還を狙う横浜F・マリノスによる一騎打ちだ。先週末のJ1第28節は優勝争いの鍵となる戦いとなった。9月上旬にもタイトルの行方を左右する試合が待つ。マッチレースとなる可能性が高い優勝争いを、サッカージャーナリスト・後藤健生が読み解く。
■痛かった湘南相手の今季2敗目
川崎フロンターレの選手たちは明らかに体が重そうだった。そして、前戦から厳しくプレスをかけてくる湘南ベルマーレらしいサッカーに押し込まれて、川崎の選手たちのダメージが増えていった。そして、湿度が75%という湿度の中でのプレーが川崎の選手たちの体力を奪っていった。
それでも、しっかりボールを回して川崎らしいサッカーを続け、20分にはCKのボールを谷口彰悟がヘディングで狙うと、ゴール前で知念慶がコースを変えてゴールを陥れた。
川崎の不動の9番、レアンドロ・ダミアンが長期離脱となった中、鳥栖戦でゴールを決めた知念が再び決めて見せたことは川崎にとっては大きな出来事だった。
だが、後半に入ると体力を奪われた川崎の選手たちの足が次第に止まりはじめ、53分には町野修斗が自ら獲得したPKを決めて同点とすると、後半のアディショナルタイムに阿部のゴールが決まって、湘南は等々力での川崎戦での勝利に続いて、シーズン・ダブルを達成した。
こうして、現在の日本のサッカー界を代表する2つのチームが、それぞれ大きな課題を抱えながらシーズンの最終盤に優勝を目指したマッチレースを展開することになった。
残りは、横浜F・マリノスが9試合、川崎が8試合である。