■ムゴシャが機能しなかった
Kリーグ通算129試合68ゴールのモンテネグロ代表は、今季韓国で18試合14得点。Kリーグで絶大な存在感を発揮してきた彼が全北に対して牙を剥くか、という構造の対決となったが、残念ながらそうはならなかった。
この日、身長188cmのムゴシャに課せられたプレースタイルは、通常の神戸の戦い方と同じように、大迫の代わりとしてボールを収めること。選手が入れ替わっても、マリノス戦のようにボールが収まってから逆サイドを突く、という攻撃を軸にすることは変えなかった。
しかし、試合が始まってみると、ムゴシャは動き自体が少なく、競り合いに勝てず、ボールが収まらない。当然神戸の攻撃は機能しなかったが、この責任をムゴシャに求めるのは酷だ。
Kリーグで得点を積み重ねてきた彼は、ボックス内で勝負するタイプのフィニッシャー。長身=ポストプレーが得意、ということにはならない。
ムゴシャは機能しないまま120分フル出場。タイプの違う選手に得意ではない動きを求め、それが上手くいっていないことを目の当たりにしながらも試合途中でプランを変えることができなかったことが敗退を招いた。