【ACL準々決勝】「イニエスタ不在」のヴィッセル神戸、全北現代に1-3敗北も「際立っていた」元サッカー日本代表・山口蛍と小林祐希の「キックレベル」と酒井高徳の「勝利への圧倒的執着心」!の画像
酒井高徳(神戸)   撮影/原壮史

■8月22日/ACL準々決勝(埼玉スタジアム2002) ヴィッセル神戸 1ー3 全北現代モータースFC

 8月22日、午後4時キックオフで行なわれたヴィッセル神戸と全北現代モータースFCによるACL準々決勝。脚を痛めているアンドレス・イニエスタ、ケガから回復途中のサッカー日本代表大迫勇也はベンチ外となり、スタメンは決勝トーナメント1回戦の横浜F・マリノス戦から7人が入れ替わった。

【ヴィッセル神戸スタメン】GK前川黛也 DF酒井高徳小林友希槙野智章、尾崎優成 MF中坂勇哉山口蛍小林祐希小田裕太郎郷家友太 FWステファン・ムゴシャ

 両チーム一進一退を繰り広げた前半はスコアレスに終わり、試合が動いたのは後半19分。小林祐希望が左足で蹴った左コーナーが逆サイドに流れ、山口が右サイドから正確なクロスを上げる。これが再び小林祐希の下へ届く。すると、小林は今度はシュートのようなハイスピードボールを中に蹴り込む。これが、ゴール前の尾崎に収まり、尾崎は縦に進み左足でシュート。相手GKが弾いたところ、直前に左サイドに投入されていた汰木康也が右足で押し込んだのだ。

 小林のアイデア、相手守備陣、そして客席の想像を超えるキックの選択が、混乱をもたらし、それが神戸の先制点につながったように感じられた。小林祐希のキックは大きくサイドを変えるサイドチェンジの場面でも際立っていた。

 サイドチェンジや裏への縦パスのキックで見せてくれたのは、先制点につながるクロスを上げた山口蛍も同じ。彼の右足からは一際正確な、糸を引くようなロングパスが放たれ、それが神戸の攻撃のスイッチとなっていた。

 後半5分、山口が後半開始から右サイドMFに入り、相手DFの裏へ抜け出しを図った飯野七聖へ通したロングパスがその真骨頂と言えよう。飯野のトラップが決まれば、先制点という場面だった。

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