■守備が大きな問題
それよりも、守備が大きな問題だ。
松本がスーパーなカバーを見せて1点を防いだり、ジャーメイン良が広範囲に顔を出して激しさを見せたり、と個々の奮闘は所々あったものの、全体での強度はなかった。いくら名古屋の守備が良いとはいえ、五分五分のボールがことごとく相手のものになってしまうのは深刻さを際立たせた。
組織としても、セットプレーのたびにゴールを脅かされたり、中盤でボールを奪われた際にゴールキーパーが前に出ていることを狙われてロングシュートを繰り返し狙われたりと、磐田がよく守った、というよりは名古屋がシュートを決めきれなかっただけ、という試合だった。
遠藤は「ゼロに抑えながら試合を進めるのか、ゴールを奪いに行きながら失点を減らしていくのかを明確にしなければいけない」と、守備意識の統一から徹底し直さなければならないとし、渋谷監督も「意思統一させていきたい」と守備面を大きな改善点として挙げたが、振り返れば今年1月の新体制発表会の時点で伊藤前監督が「守備の構築と継続性をしっかりやっていかなければならない」とポイントに挙げた部分でもある。ここまで時間をかけてやってきたことの継続であるはずの部分が、ここから短期間で劇的に変わるかどうか。簡単なことではないだろう。
それでも、やるしかない。幸い、次戦までは時間がある(9月3日、柏戦)。
果たして、磐田の反撃は始まるだろうか。
残りは8試合だ。
■試合結果
名古屋グランパス 1―0 ジュビロ磐田
■得点
19分 マテウス・カストロ(名古屋)