■サポーターは選手を迎えた
ルヴァンカップは敗退となってしまったが、サポーターは難しい状況で最後まで戦う姿勢を見せた選手たちを拍手で迎えた。
直前のリーグ戦では川崎に試合終了直前のゴールで敗れており、タイトル獲得へ順調に進んでいるはずだったマリノスに突如として嫌な流れが生まれたようにも思える連敗となったが、多くのマリノスサポーターはここで精一杯背中を押すことを選んだ。試合の大半が消化不良の時間、というストレスを溜め込む日になったが、それでも拍手をした。
しかし、ごく一部から敗退に対する不満の声が上がった。すると、水沼が進み出て声を飛ばした。
「もう一回まとまって行こうこれから!俺らはみんな悔しい。みんな悔しいから。ここから1つ1つ大事だから!絶対勝とうこれから!」
序盤の決定機で自身のゴールが入っていればまた違う展開になったかもしれない。チームが苦しむ中、66分にピッチを去らなければならなかった。個人としてもキャプテンマークを託された立場としても、大きな悔しさが残る試合だった。終盤には判定に対してベンチを飛び出し、ケヴィン・マスカット監督に止められる場面もあった。それでも、サポーターが大きな悔しさを抱えながら拍手で迎えてくれたその思いに、水沼も悔しさを抱えながら応えた。
マリノスの選手たちは大きくなった拍手の中で礼をし、次戦での必勝を誓った。
悔しさを溜め込んだ分だけ、歓喜の爆発は大きくなる。次の勝利は、マリノスをシャーレに向かって再加速させることになるだろう。
■試合結果
横浜F・マリノス 1―2 サンフレッチェ広島
(2戦合計2-5で広島が準決勝進出)
■得点
8分 ナッシム・ベン・カリファ(広島)
22分 レオ・セアラ(マリノス)
37分 野上結貴(広島)