■中盤からのチャンスメイクのために動き回る展開になってしまった

 37分にはアンデルソン・ロペスが中央ではなく左サイドでボールを持つと、中央に走り込んでフィニッシュしたのはそれまで左サイドでボールを持つことが多かったエウベル。この場面が象徴するように流動的に補完し合いながらゴールに向かうマリノスは、試合全体で17本のシュートを放った。

 一方、鹿島のシュートは前半の2本のみ。51分に反撃の出鼻をくじかれる2点目を奪われてしまうと、そこからは一方的な展開を許したまま試合を終えることになった。

ベンチに戻ってきた土居聖真に寄り添うファン・アラーノ 横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ(20220730) 撮影/原壮史

 上田綺世が抜けた前線は、鈴木が低い位置にもサイドにも顔を出してチャンスメイクに関わる、という部分は今シーズンのここまでと変わらなかったものの、その次に脆弱な部分を突く動きが生まれなかった。レネ・ヴァイラー監督は58分に土居をエヴェラウドに替えてゴール前での強さを出そうと試みたが、背番号9もフィニッシュ役としてではなく中盤からのチャンスメイクのために動き回る展開になってしまい「完敗」(広瀬陸斗)となってしまった。

 

PHOTO GALLERY 横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ(20220730)
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