■カタールW杯の特殊なスケジュールを考えると…

 森保監督のもとで主力を担ってきた海外組が、所属クラブでしっかりとプレータイムを確保すれば、序列が大きく変わることはないだろう。問題は主力選手が実戦から離れてしまう場合だ。

 欧州各国リーグのシーズン中に行なわれるカタールW杯は、集合から最短1週間でグループステージの初戦を迎える。所属クラブで試合から遠ざかっている選手が、コンディションを上げる時間的猶予はない。

 そう考えると、国内組にもまだチャンスは残されている。準備期間が短いからこそ長くプレーしてきた連携が大切にされ、既存のメンバーが選ばれるとも考えられるが、攻撃のポジションは「好調さ」や「勢い」を持ち込める。E-1選手権で存在感を示した選手たちがJリーグでも結果を残していけば、滑り込む余地はあるかもしれない。森保監督も、9月の欧州遠征に連れて行きたい選手は「いる」と語った。

 欧州各国リーグとJリーグを両睨みしながら、森保監督は各ポジションの序列を組み立てつつ、本番へ向けたゲームプランを練っていくのだろう。その選択肢が増えた意味で、メンバー選考の最終局面が面白くなってきた、と言うことができる。

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