■町野は4-3-3のCFの候補に

 西村拓真も好印象を残した。4-2-3-1のトップ下を基本ポジションとし、1トップの町野と好連携を築いた。前線からのプレッシングにも意欲的で、森保監督も「守備のスイッチを入れて、他の選手を引っ張ってくれた」と評価した。

 海外組が中心となるメンバー構成で、4-2-3-1はオプションのひとつだ。トップ下には久保や鎌田がいる。南野を置くことも無理はない。すでに人材は出揃っており、カタールW杯までの短い準備期間を考えると、西村がトップ下のオプションと位置付けられるのは難しそうだ。4-3-3ならCFの候補になってくるのだろうが、その最前線中央では町野がアピールに成功した。

 湘南ベルマーレで多彩な得点パターンを披露しているこの22歳は、香港戦で2ゴールをマークし、韓国戦ではダメ押しの3点目をプッシュした。シュートレンジの広さもセールスポイントで、ためらいを感じさせないところは好印象だ。守備面でもきっちりとハードワークする。

 E-1選手権で見定められなかったのは、前線での「起点作り」だ。4-2-3-1ではトップ下が置かれ、西村のサポートを受けることができた。

 4-3-3のCFになると、自分ひとりで持ちこたえる時間が長くなる。時間にすればほんのわずかの違いでしかないが、そこでボールを保持できるか、それとも失ってしまうのかで、試合展開は大きく変わっていく。大迫勇也が長く取り換えの利かないCFとなってきたのは、収めたボールを簡単に失わないからだ。

 4-3-3のCFには、トップフォーム時の大迫と同レベルのキープ力が求められる。そのうえで、自分の持ち味を発揮することができるのか。E-1選手権で結果を残した町野は、より高いレベルを要求される存在になったと言える。

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