■悪いイメージの払拭

 グループリーグの韓国戦では開始早々に植木のゴールで先制し、その後もゲームをコントロールしていたものの、85分に同点ゴールを許して引き分けに持ち込まれてしまった。そして、準決勝の中国戦でも植木が先制ゴールを決めてリードして折り返したものの後半開始早々に追いつかれ、さらに延長に入って再び植木のゴールで先行したのだが、延長後半終了間際の119分に王珊珊のゴールで追いつかれてPK戦に持ち込まれ、PK戦を落としてアジアカップ連覇を逃したのだ。

 内容的にはゲームを支配し、しかも2度も先行しながらも、2度とも追いつかれてPK戦で敗れた試合展開……。それは、まるで2011年女子ワールドカップ決勝でアメリカに勝利した、あの伝説の試合のまるで裏返しのようだった。

 とにかく、2022年のアジアカップは「優勢に試合を進めながらも2点目、3点目を取れずに同点に追いつかれて勝ち切れなかった」という、悪い印象が残る大会となってしまったのだ。

 そうした悪いイメージを払拭するためにも、ホーム開催となったE-1選手権では勝つるしかなかったのだ。だから、内容はともかく、曲がりなりにも優勝を遂げたことは一応は評価しておきたい。

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