日本女子代表はEAFF E-1選手権で優勝を果たした。東アジアのライバルを相手にした大会で、「なでしこジャパン」は何を得たのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■今のなでしこに必要だったこと
EAFF E-1選手権に出場していた日本女子代表(なでしこジャパン)は、最終日の中国戦は引き分けに終わったものの、2勝1分・勝点7の成績で優勝を飾った。
中国戦は日本がボールを持つ時間が長く、シュート数でも12対4と上回った。また、守備も機能して相手にほとんどチャンスを作らせなかったものの、最後まで攻撃の形は作れず、残念ながら「スコアレスドローは妥当な結果」といった内容だった。
スコアレスのままアディショナルタイムに入って、日本は3人目の交代で菅澤優衣香が入ろうとしていた。すると、交代を告げられた植木理子はゆっくりと歩いてピッチを後にした。そして、ベンチからも植木を急がせるような動きはなかったのだ。
もう、あの時間には日本代表は勝利は諦めて、引き分けて「優勝」という結果を確保することを考えていたに違いない。
日本にとって今大会の最大の収穫といえば、勝負強く勝点を拾って優勝という「結果」を手に入れたことだ。
それは、確かに今のチームにとっては必要なことだった。
というのは、今年の1月から2月にかけて行われたAFC女子アジアカップでは中国とも韓国とも引き分けに終わっていたからだ。