【E-1選手権「香港戦」】「スペインサッカーの本質を知る男」坪井健太郎が2得点の「ベンゼマ&モラタを彷彿」日本代表「22歳FW」町野修斗、「イニエスタやペドリに通ずる」大活躍の「20歳MF」藤田譲瑠チマのプレーを分析!の画像
日本代表で鮮やかな得点を見せた町野修斗 撮影:中地拓也

 7月19日に行なわれたE―1選手権の初戦・香港戦。サッカー日本代表相馬勇紀町野修斗などのゴールで6-0と大勝を飾った。その試合を、2008から2019年までの12年間、スペインの地で指導者を務め、数々の実績を残してきた「世界のトップを肌で知る男」坪井健太郎さんに分析してもらった。(#1、2のうち1)

【プロフィール】坪井健太郎 つぼい・けんたろう 1982年、静岡県浜松市生まれ。静岡学園卒業後、指導者の道へ進む。安芸FCや清水エスパルスの普及部で指導経験を積み、2008年にスペインへ渡る。バルセロナのCEエウロパやUEコルネジャで育成年代のコーチを務め、リーグ優勝・昇格を経験。2018-19シーズンにはユース1部のカテゴリであるディビシオン・デ・オノールで FCバルセロナやRCDエスパニョール、RCDマジョルカといったプロクラブが戦うリーグで6位という上位争いに食い込んだ経験を持つ。『サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である』『サッカー 新しい守備の教科書』『サッカー新しい攻撃の教科書』(いずれもカンゼン刊)が大好評発売中。

■町野の代表デビューゴールから見えた、ストライカーに必要な能力

  坪井さんは「選手が自分の色を出し、結果につながるプレーをしていたな、というゲームでした。途中から出た選手も含めて、全体的にいいパフォーマンスを見せていたと思います」と試合を総括する。

 そのなかで、ヘディングとこぼれ球を押し込んだもの、代表デビューながら2得点を記録した湘南ベルマーレ所属の22歳、FW町野修斗について、スペイン代表FWの名前を出しつつ分析してくれた。

「町野選手の得点を決めたプレーは、マークの外し方やシュートを打つ場所に入って行く動きがよかったですね。スペインサッカーでいうところの『デスマルケ(マークを外す動き)』は、ストライカーにとってはすごく重要です。アルバロ・モラタアトレティコ・マドリード)や、カリム・ベンゼマレアル・マドリード)などのストライカーはデスマルケを得意としていて、自分なりのゴールの形を持っている。それに通ずるゴールでした。

 ストライカーは、自分をマークしている相手の死角に立つことが重要です。相手は、ボールとマーク対象を同一視できないところに立たれると、より広く視野を確保しなければならないので困難が生じます。そうして死角に立ちつつシュートポイントへ絶妙なタイミングで入って行くのが、ゴールを決めるために大事な要素の1つですね。そのうえでクロスを上げる人の状況を見つつ、ゴール前にスペースが生まれる瞬間を読み取りつつ動き出すことが求められます。

 また現代サッカーでは、ペナルティエリア内でトラップしているとシュートブロックされる可能性が極めて高いと言われています。最近のヨーロッパのハイレベルな戦いでは、エリア内は1タッチフィニッシュがほとんどですね。そのためにはシュートを打つための駆け引きを事前に行なう必要があります。駆け引きしないで単純にボールをトラップしてしまうと、受けたときには相手が目の前まで寄せられてしまいます。ストライカーは、シュートを打つ前が仕事の8割ですね」

 坪井さんが語った「死角に立つ」という動きを実行し、20分、町野は右SB山根視来からのクロスにフリーで合わせてヘディングゴールを決めている。

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