■7月17日/明治安田生命J1第22節 鹿島アントラーズ 1-1 ヴィッセル神戸(カシマ)
互いに1点ずつを奪い合った試合後、カシマスタジアムに駆け付けたサポーターの胸を打つ感動的な場面があった。それは、両チームのストライカーが抱擁する場面だ。先制ゴールを奪ったヴィッセル神戸FW大迫勇也と、同点弾をアシストした鹿島アントラーズFW鈴木優磨がピッチの上で互いの健闘を称えあったのだ。
大迫にとっては、これが初の凱旋試合だった。2009年に鹿島でプロ入りした大迫は、この地で5シーズンにわたってプレーした。そのうち10から13年までの4シーズンは、鹿島の「9」を背負ってカシマスタジアムに何度も歓喜をもたらした。その後、ドイツに渡った大迫は昨年、Jリーグに復帰。カシマスタジアムに立つのはこれが初めてだ。
その試合で大迫の節目の出場はスクランブルだった。前半39分にFW武藤嘉紀が鹿島の選手と接触して、右足首を負傷。E-1選手権を直前に控える日本代表はそのままロッカールームへと戻ることとなったため、大迫は急遽ピッチに立った。
それでも、半端ない男はやはり半端なかった。後半7分、あっさりと先制ゴールを決めてみせたのだ。直後、神戸サポーターに向かって力強くガッツポーズをしながら雄たけびを上げた。「鹿島に対してのリスペクト」があったからこそのリアクションだったという。