■若きタレントが目白押し
「恐れを知らず、すばらしいスピードがある。でも僕が彼のプレーでいちばん感心するのは、彼のファーストタッチだ。パスを受けるとき、どんなにスペースがないように見える状況でも、彼がワンタッチした瞬間に彼の前に大きなスペースが開けるんだ」
そう彼を絶賛するのは、ドルトムント時代にチームメートであり、現在はトルコのアンタルヤスポルで監督を務めるヌリ・シャヒンである。2019年には5400万ポンド(約84億円)という巨額でイングランドのチェルシーに移籍する。プリシッチの価値は、ウェールズ、イングランド、そしてイランを相手にグループリーグを戦う今回のワールドカップでさらに高められるに違いない。
グレッグ・ベアホルター監督率いる現在のアメリカ代表チームには、プリシッチのほかにも若いタレントが目白押しだ。現在スペインのバレンシアで活躍する19歳のMFユヌス・ムサーはニューヨーク生まれながらイタリアとイングランドで育ち、U-17イングランド代表の経歴ももつ。フランスのリールでプレーする22歳のFWティモシー・ウェアは、リベリア(アフリカ)の現大統領ジョージ・ウェア(1990年代を中心にACミランなどで活躍した世界的プレーヤー、1995年バロンドール受賞者)の息子で、ニューヨーク生まれ。18歳のときからアメリカ代表でプレーしている。