日本代表はワールドカップに向けての準備として、９月にアメリカ代表と対戦する。スポーツ大国アメリカは、サッカーにおいても世界的な強国である。日本代表にとって素晴らしいテストマッチの相手となるアメリカを、サッカージャーナリスト・大住良之が掘り下げる。
■アメリカで生まれた世界的才能
現在のアメリカ代表は、全員がアメリカ生まれ。プリシッチもアメリカ東部、ペンシルベニア州のハーシーという小さな町で生まれた。チェコレートで有名な町である。両親はともにジョージメイソン大学でサッカー選手として活躍、父はインドアサッカーのプロ選手としても活躍した。教師だった母親が１年間イングランドに留学したのにともない、彼も７歳のときにイングランドで１年間暮らし、ブラックリー・タウンという小さなクラブのユースチームでサッカーを始めた。しかしそれ以外ではアメリカのクラブでプレーし、テクニックを磨いた。
２０１５年２月、ドイツの強豪ボルシア・ドルトムントが１６歳のプリシッチに目をつけ、Ｕ－１７チームに登録。その夏、１７歳の誕生日を迎える前にはＵ－１９に引き上げられ、さらにその年の暮れにはトップチームの練習に加わるようになる。そして２０１６年１月、プリシッチは親善試合で１得点１アシストの活躍を見せ、１月３０日には１７歳でブンデスリーガにデビューするのである。
