■前半の得点は8試合ぶり!仙台が主導権を握る
原崎政人監督と選手たちは、こんな試合をやりたかったのだろう。
ファン・サポーターは、こんな試合を観たかったのだろう。
J2リーグ第25節が7月6日に行なわれ、3位のベガルタ仙台は15位のヴァンフォーレ甲府と対戦した。
仙台は5月21日の大宮アルディージャ戦を最後に、過去7試合前半の得点がない。6月の4試合が未勝利(2分2敗)に終わったのも、つねに追いかける展開となったことが関係していた。追いつくだけでなく引っ繰り返すには、相当のパワーが必要だからだ。
この日は違ったのだ。25分、MF中島元彦がペナルティエリア左外の直接FKを鮮やかに蹴り込んだのだ。
2点目も前半のうちに記録した。38分だった。中山仁斗が敵陣ほぼ中央でボールを収め、左サイドへ展開する。氣田亮真がペナルティエリア左で受けると、左サイドバックの内田裕斗がオーバーラップしてくる。内田のランニングに合わせて、加藤千尋がニアサイドで走り込んでいく。加藤が相手GKとDFの注意を惹きつけたその刹那に、中山が走り込んでいた。ゴール前でフリーになった背番号9が、内田のクロスを確実に蹴り込んだのである。
後半も甲府に得点機を与えず、攻撃的な姿勢を貫いていく。勝利を決定づける3点目は79分に生まれた。右サイド深くで人数をかけ、名倉巧がペナルティエリア内右から左足を振り抜く。ゴール右隅を突いた一撃が、ユアテックスタジアム仙台に歓喜を呼んだ。