■小林悠「“俺が、俺が”という選手が出てきてほしい」

 とはいえ、今季はここまでそれがなかなかできていない。6月18日のコンサドーレ札幌戦で小林の2得点を含む5得点を奪ったのが今季最多得点だが、それまでの16試合での最多得点は「2」。ここ2年は圧倒的強さを見せてきた王者としては、寂しい数字だ。

 しかし、徐々にその感覚を取り戻しつつある。札幌戦、磐田戦の前半と、いいリズムでピッチを支配する時間が長くなっている。
「人がどんどん変わっていく中で、どういうサッカーをしていくのかということは難しいところ。ただ、ビルドアップで相手を陣地に押し込むってところまでは順調に進んでいると思う。それが正解だったと確信に変わるのは、ゴールを決めて勝ったとき。そういう試合が増えていけば、優勝した時のように、つらい時を乗り越えて、あの経験があったから良かったよねと言える。今はその段階。確信に変えるとき」

 そのためには、若手の突き上げが必要だ。ここ数年でチームは多くの選手が海外に羽ばたいた。それでも王者で居続けたのは、若手選手が主力の座を掴み続けたからだ。
「やっぱり、“俺が、俺が”という選手が出てきてほしいと、練習を見てても思います。
残り練習で頑張っているんじゃなくて、1時間半なら1時間半の全体練習の中で先輩を食ってやろうじゃないですけど、そういう勢いのある若い選手が出てきたら面白いなと一緒に練習をしていて感じます」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4