日本女子代表は6月、ヨーロッパに遠征し、2試合を戦った。格下相手ではあったが、内容を伴う大勝は、なでしこジャパンの変化をうかがわせた。新しい時代へと向かおうとするなでしこの2試合を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■国内での強豪チームの誕生
2019年までは日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)が日本女子サッカー界最高峰のトップリーグだった。そして、2020年にはプロ化を成し遂げて、「WEリーグ」が発足した(「なでしこリーグ」は、下位リーグとして存続)。
そして、日本のトップリーグでは一時は日テレ・ベレーザが圧倒的な存在だった。現在の代表チームを見ても、かつてベレーザに在籍した選手や現在もベレーザでプレーしている選手が半数以上を占めているおり、まるで男子代表に川崎フロンターレ関係の選手が多数いるのと同じようだ。
そして、ベレーザが追及している(こだわっている)のが、テクニックを重視したパス・サッカーだった。
しかし、この数年、ベレーザのサッカーとは違うコンセプトのチームが増えてきた。
浦和レッズレディースは大型選手もそろっており、よりスケール感のある試合をすることでベレーザと並ぶ強豪チームとなった。