■久々に感じられた躍動感
「2011年の栄光」を追い求めていたこの数年間、「なでしこジャパン」のサッカーは躍動感のようなものを欠いていた。
この間に、溌剌とした動きで結果を出したのが2019年のU-20ワールドカップで優勝した池田監督のチームだったが、年齢制限のないフル代表である「なでしこジャパン」は何かを守るために試合をしていた。
従って、セルビア、フィンランドを相手にいずれも5得点を奪ったフル代表=「なでしこジャパン」から感じ取れた「躍動感」は久しぶりのものだった。
もちろん、セルビアもフィンランドも“格下”のチームだ。これから、来年7月のワールドカップ本大会までの間に、強豪相手にもこうしたアグレッシブなサッカーを展開できるように力を付け、精度を上げ、スピードアップしていってほしいものだ。
ワールドカップ出場権獲得から本大会まで、1年半近い時間があるのは、本来はあまり望ましいことではない。だが、新しいスタイルのサッカーに切り替えていく必要性を考えると、日本にとっては長い時間が存在するのは実はありがたいことなのかもしれない。
今後の強化に期待したい。