■国王から称号を贈られたクラブ

 僕がこれまでに飛行機の中から見た最も美しい景色の一つが、「レアル・ソシエダ」のあるサンセバスティアンの空港でした。

 空港は街の東20キロほどのところにあります。スペインの北側に広がるビスカヤ湾(英語読みで「ビスケー湾」)の上空を東に向かって飛ぶ飛行機の中からは、海岸沿いに広がるサンセバスティアンの美しい街並みがはっきりと見えました。

 サンセバスティアンは19世紀初めのナポレオン戦争で破壊された後に再建された街で、国王一族をはじめ、世界中の文化人などが夏を過ごすリゾート地となりました。だから、アルフォンソ13世もこの街に滞在していて、クラブに「レアル」の称号を賜ったというわけです。街は、淡い色調の近世の建物によって独特のハーモニーを醸し出しています。

(2)へ続く
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