■L・ダミアンのしつこいほどのプレー
2対2のスコアのまま終盤を迎えていた86分。逆転となる3ゴール目を生んだのは、レアンドロ・ダミアンのしつこいほどのプレッシングだった。
これも、昨シーズンは何度も見かけた光景だった。レアンドロ・ダミアンのプレッシングによって相手GKが自由にプレーできなくなり、ロングキックを蹴ってタッチラインを割ったり、パスミスを拾った川崎の攻撃につながっていくのもお馴染みの光景だ。
1対1のまま後半に入った時点で、すでに川崎の選手たちのプレッシングの意識は上がっていた。
開始直後の47分には、知念のプレスによって札幌のGK中野小次郎が苦し紛れのキックを余儀なくされて、山根が拾って、家長、知念と渡ってチャンスを生んだ場面もあった(知念から、攻め上がる山根の前のスペースを狙ったパスが通らなかったが)。
そして、82分に投入されてから、レアンドロ・ダミアンは疲労を溜め込んだ札幌の守備陣に対してプレッシングをかけ続けたのだ。
そのプレッシングによってGKの中野から右サイドにいたDF岡村大八へのパスが短くなって、これをマルシーニョが拾う。そして、レアンドロ・ダミアンを経由して家長に渡って家長がシュート。これはDFがなんとかブロックしたものの、疲労して足が止まっていた札幌の選手たちより速く小林が反応して決めきった。
橘田と大島のパスの技術で生まれた1点目。“お家芸”とも言える右サイドでの崩しから生まれた2点目。そして、レアンドロ・ダミアンの鬼のようなプレッシングによって生まれた3点目と、逆転までの3ゴールともいかにも“これぞ川崎”というゴールだった(相手のクリアミスを拾って生まれた4点目と、マルシーニョの独走ドリブルによる5点目はいわばボーナスのようなものだ)。